ボスは迷文家シリーズ |
国際根無し草
僕はかなりの部分でアメリカにはまり込んでいて、いっしょに行動をとる人 たちのほとんどがアメリカ人なんです。自分でもかなりアメリカ化していると 思っているのですが、ああ、俺はやはりアメリカ人にはなれない、と思うときが あるんです。それは、お祭りで、パールハーバーの生存者の行進がある時と、 エベントで起立して手を胸にあててアメリカ国家が歌われる時です。特に、 パールハーバー生存者の行進の時に、そこで僕が感じることは、僕がそこで 急に一人になったような疎外感です。
広島と長崎は、対日本戦略的には必要のなかったことだと思います。 「これ以上米軍から犠牲者を出してはならない」、「真珠湾攻撃への報復」 という理由はアメリカの反日国民感情に沿うものでした。
当時、特に西海岸、それもサンフランシスコあたりの反日感情には激しい ものがありました。僕の伯父はミッドウエー戦死(潜水艦)しています。僕の 従兄弟は終戦するとすぐにUCバークレーへ大学院留学をしました。彼には、 戦争とは国家間の問題であって国民レベルでは理解しあえる筈だという期待 があったのです。しかし、サンフランシスコBayエリアで彼を待ち受けたものは、 日本人に対する強い差別と偏見でした。彼はそんな環境の中で、悔しさに耐 えながら何時の日かアメリカ人の上に立ってやると自分に言い聞かせて ついに博士号を取得し、その後、スタンフォード大学の教授職を経て薬学部で 学部長までのぼりました。その後製薬会社のスクイブから、バッファリンなどの ブリストルマイヤーに移り、そこの中央研究所長職を最後に三年前に定年退職 しました。アメリカ人の上に立ちつづけたのですが、それは彼が心の奥に秘めて いた人種的悔しさに根ざしたエネルギーによるものでした。彼は現在でもアメリカ 国籍ですが、やはり心の底にはアメリカ人になりきれないもの、それはアメリカ人 には見せたくない気持ちをかかえています。
こちらでも日系三世たちが日系三世たちといつもいっしょにいるところを 目にしますが、僕に理解できないでいることは、彼らがアメリカ人になりきれ ないでいるのか、ただ単にキャンプ時代から一緒だったので幼馴染意識が 強いのか、、、、。ちょっと理解できずにいます。キャンプで育った三世たちの 何人かは新移民(レストラン関係、個人業)たちの仲間になって、行動を 彼等とともの人もお寿司屋さんに行った時に見かけることがあります。僕 は属しておりませんが、桜会という日本人会をつくって、いっしょにゴルフ をやったりカラオケをやったり、それは駐在員の春秋会という日本人会の ようなものなのですが、みんな日本人同士で集まっています。僕が寿司屋 で出会う日本人はこのいずれかの会の会員のようです。結局、アメリカに 同化することを最初から考えてもみないんですね。善悪の問題ではなく 所属先をはっきりとさせることによって、国際根無し草にならずにすんで いるのでしょう。
僕が寿司屋で出会う日本人はこのいずれかの会の会員のようです。結局、 アメリカに同化することを最初から考えてもみないんですね。善悪の問題で はなく所属先をはっきりとさせることによって、国際根無し草にならずに住ん でいるのでしょう。やはり、そういう意識はあるのだと思います。
ボクなんぞ、最終的にアメリカ人になりきることができないことをわかってい るし、日本人村とも価値観があわないでいます。それは日本を含めてです。 結局、五年後のオートバイによるシルクロードの旅に出て、タジキスカンあ たりで西アジア砂漠の屍となって白骨をさらすような運命なのかもしれません。
来年あたりから始めるのですが、先ずアラスカからシアトル、その翌年に シアトルからパナマ、そしてコロンビアからチリ、それからアジア、、、 オートバイの旅を予定しています。オモシロイことは確かですが、それは 僕に好奇心があるからです。エンターテイメント的なオモシロさではなく、 新発見の面白さでしょう。体力、精神力、そして忍耐が求められるものです。 どこかで殺されるか事故死すると思ってますが、それが西アジアの砂漠で あって欲しいと思っているのです。
おのざわショージ 07/18/01