ボスは迷文家シリーズ |
僕が見た台湾
日本軍が退散した後の台湾を、毛沢東に追われて台湾に逃げこんだ蒋介石の率いる中国の国民軍が占領した。あたかも二千五百年前の春秋時代の国盗り合戦が続いていたかの様だ。日本軍退散後の台湾には防備がなく、その為、国民軍に抵抗した台湾の民衆は全て虐殺されて、生き残った人たちは搾取し続けられることとなった。 現在の台湾で耳にする話し。日本人は台湾人を二級国民として扱い差別していたものの、台湾人は日本人の方が中国人(中国の国民軍)ずっと良かったと言う。台湾人だって中国人じゃあないかと僕が云うと、皆がみな口を揃えて"いや私たちは中国人ではない、台湾人である"と主張しするのだ。彼等の説明は面白い。"人間の先祖は猿だったが、今は猿とは呼ばない。台湾人も以前は中国人だった。然し今は台湾人だ"。彼等は、はっきりと中国人との違いを主張してやまない。 百年ほど前に、中国大陸の福建省から渡ってきた人たちによって、台湾人は構成されている。現在でも85%の国民は福建省の出身で、蒋介石と共に台湾へ渡った本省人(中国人)は15%にも満たない。台湾人はこの15%の中国人に支配され続けた歴史を怨む。少なくとも、占領日本軍は道路を設備し学校や病院を建てた、そして台湾人にも日本国民の教育をした。ところが、蒋介石は中国本土奪還を目指し、台湾に戦時体制をひき続けることにより、国家社会の建設を疎かにして軍備だけを充実させていった。蒋介石以前は日本人を憎んでいた台湾人ではあるが、蒋介石が余りにも台湾人を虐殺し国民の利益を無視し続けた為に、蒋介石以降は、日本人の方が良く見える様に変わったのだろう。 蒋介石の悪行のおかげで日本への恨みが和らいだという現実と同時に、台湾人はアジアの成功者としての日本を眩しく見る。心の奥底では日本不信が存在するかもしれないが、世代の移行にともなって、考えも方は変わってきている。日本人の若い女性が、ひ弱だったりだらしの無い日本人男性を嫌う様に、現代の台湾人の若い女性の間にも、だらしの無い台湾人の男性を嫌い、結婚相手は日本人やアメリカ人の方が良いと言う。この言葉の裏に日本人嫌いを感じとることはできない。 僕の初めての台湾訪問は蒋介石没直後のこと。当時は社会整備が遅れていて、台北市を一歩外に出るとそれは酷いものであった。爆弾でも投下されたのでは?と思えるくらいの悪路、それも対中市の目抜き通りがそんなだった。人々は55ccの単車に一家五人くらい乗って移動していた。ハンドルにかけられたカゴに三才くらいの男の子が座り、ガスタンクの上に五才児、赤子を背負ったお母さんが運転し、荷台にはおばあちゃん。こんな具合だ。いたる処でそうだった。 でも特にこの十年間には、台湾も経済成長を成し遂げて、台北や台中を中心に台湾もインフラストラクチャアが充実してきた。そして本省人(蒋介石そして息子)から政権が代わった現在では、国民投票による民主政権も成立してきた。 2.19.98