ボスは迷文家シリーズ


Vol. 93 

英語のヒアリング

 

ヒヤリングがどうしても苦手だという人に出会うことが多いのですが、英語のヒアリングの難しさの原因の一つに、翻訳作業をしながらのヒアリングがあると思います。 更には、単語の訳のみならず、思想表現を欧米タイプから日本的思考タイプに置き換える作業があることも原因となっていると思います。

英語から日本語の同時通訳はすごく簡単です。しかし、その逆はとても難しい。話し手の論理性がそのまま反映されるからです。日本人でも論理のたった話し手の言葉ですといいんですが、日本語でも何を言っているかわからない人だと、英語にも置き換えにくいものです。ですから、そういう時はポイントだけ訳します。 実際に、日本人の話し手には、前後をきちんと整理して話しをすることができる人が少ないのです。

僕に言わせれば日本語をきちんと話すことができない人は、如何に勉強をしたところで英語も同様に出来ないのですが、その点について日本の教育界が気がついていない。日本語をきちんと表現できる様にすることが、英語での表現力の基礎となります。この表現力があれば、英語という道具を使うか、日本語という道具を使うかの違いだけで、思想はきちんと表現されるはずです。

思考があって表現がある。言葉はその為の道具でしかない。それが英語であるか、日本語であるか、ただそれだけだと思うのです。日本語でも英語であっても、きちんと自分の考えを述べることのできる人は、他人の話しもきちんと理解できる。そうでない人は他人の話し(ヒアリング)をきちんと理解することができない。

理解力の高い人はインテリジェンスも高いので、それだけ勉強量が豊富な場合が多い。従って、文法力や語彙の数が必然的に向上するので、言葉をきちんと使いこなすことができます。そしてそれが、その人の表現を具現化する為の道具としての言葉の善し悪し(日本語や英語の力)となります。

英語はNo,I can’t の世界。 日本語は、ハイ、分かりました、前向きに考えてみますの世界。 英語では出来ないことは、その場でNo! 日本語では、Noと言ったら相手に悪いと思い、取り敢えずYesをいう世界。 この思考回路(日本の日常会話)で英語を話すと、No,I can’t と言うべきところを、Yes, but I will see if I can,,,.と何だか訳の分からない言葉になるのです。 するとアメリカ人は、Yesと言ったのだからと安心をしていて、後で何もアクションが怒らないので、嘘をつかれたと思ってしまいます。 誤解なき話しをする為には、できるだけ思想を整理した上で、YesはYes,NoはNoで話すことが大切ですが、その上で思考方法を三段論法に変えるとが良いでしょう。 英語の表現力のみならず、理解力が高まると思います。

Hearingが難しいということは、訳しながら聞いていて、単語を訳すだけでなく、論理的な英語を非論理的な日常日本語に置き換える作業を通しているから、どうしても遅れてしまうのではないでしょうか。こういった作業を自動的にONしてしまっているので、どんなに勉強してもDelayがあるのです。だから、英語は英語で勉強し、訳をしない訓練をし、日本語に置き換える(訳ではない)時には、論理的な表現方法で解釈された思想内容を翻訳という作業を通さずに行えばいいのです。これが出来ると、同時通訳が出来る様になります。

小野沢昭志 Date: Wed, 16 Dec 1998 15:28:11 -0800



ご意見・ご感想


目次に戻る