ボスは迷文家シリーズ

トレールは楽しい 事務所裏の小動物園


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シアトル地域では、職住の中に自然が残されている。開発が進んだからか、 最近は見かける事は少なくなったが、この事務所裏のトレールには狼もで る。僕の家のあたりでも、狼、鹿、熊、ライオン、鷲の姿もみる。アライグマ やリスは家の中に入ってくるし、ハミングバードも屋根からつるした花の蜜 をすいにやってくる。事務所裏で大型の動物を見かけることはないが、小 動物はたくさんいる。そこは、まるで小さな動物園のようなトレールなのだ。


事務所裏のトレール、これは正に事務所を一歩出た場所にある。僕の1日は このトレールではじまりトレールで終わるのだ。愛犬にとっては、散歩、疾走、 トイレッテンだけでなく、ウサギ追いし彼の川(川沿いなので)であり、僕にとっ ては自転車とローラーブレードのトラックでもあるのだが、ここは自然が満載 された小さな動物たちとの出会いを提供してくれる場でもあるのだ。

秋には鮭の遡上

このトレールには自然が満載されている。事務所を一歩出たあたりでビーバー を見かけるし、橋の欄干にはフクロウが巣を作っている。夏の終わりにはヒナ の鳴き声をきくことができる。巣のそばを歩くBanditと僕を威嚇してフクロウが 低空飛行をする。巣の下には、小動物の骨や頭蓋骨が散乱している。動物を 飲み込んで消化した後で吐き出された骨が散らばっているのである。これを児 童文学の世界での権威の絵本作家の大田大八氏にお見せしたことがある。太 田氏のトレードマークがフクロウだそうで、この場にフクロウの巣があると知った 童話作家は感激しておられた。


リスや野鴨は事務所入り口にやってくるし、ウサギは
自転車ではねそうになるくらいたくさんいる。この
トレールを走っていると鷹や鷲が低く飛ぶ姿をみるこ
ともあって、初めての人は感動する。事務所の実習生
の麻衣子がローラーブレードをはじめた頃は初夏の蛇	      絵本作家 太田大八ご夫妻
が多くいて、坂を下がれずに草地を歩き降りる時に踏
み出した一歩ごとに5〜6匹の蛇がでてきた。彼女は
いくつもの蛇の巣を踏みながらおりてきたのだ。この
時、彼女にとっては急坂の方が怖くて、蛇を気味悪が
っている心の余裕はなかった。

       野鴨夫婦は毎年事務所にやってくる               Banditのウサギ追いし

Banditは、動いている動物を追うことが好きだ。危害は加えないから問題はない のだが、追いかけられるほうは必死である。ウサギとリスは年がら年中追いかけ られている。Banditは彼らを追い詰めると、前脚をばたつかせて情けない声で甘 えたように、声にならない声で小さく吠える。それはまるで咳のように小さい。追い 詰められて凍り付いているウサギに向ってもっと駆けるようにネダっているのだ。 ウサギにとっては生きるか死ぬかなのだが、Banditにしてみればカケッコを楽しん でいるだけに過ぎない。競争犬として育てられたが為に走ることしか知らない犬な ので、走っていられる限り幸せなのである。

スカンクには強力な武器があるので、Banditに追いかけられても彼らは逃げない。 最初の内はスカンクにはBanditの優しさが伝わっていなかったので、彼らはこの 犬に向って何発か見舞ったことがある。僕はその都度Banditにハラがたってしまう。 「あれほどスカンクには近づくな」と言っておいたのにいいつけを守らずにスカンク を追いかけるからだ。この臭いは悪臭なんてもんではない。とにかく臭いのだ。事務 所に入れると事務所中が臭くなってしまい、臭いはオフィス中にコビリツイテ10日く らいも臭いままなのだ。トマトジュ―スで洗うと良いとかいわれてトマトジュースを一ケ ース使ったこともあるが、そんなもんではおちやしない。トレールにはスカンクがあちこ ちにいるのだが、事務所真裏にいるスカンクは最近になってやっとBanditに慣れてき たようでBanditがスカンクのケツをクンクンやっても臭いの一撃をかまさなくなった。

	    Babyスカンクとご対面の麻衣子  	        Babyスカンクは愛らしい

狼は美しい。僕は彼らが滑るようにして歩く姿が好きだ。人畜に危害を加えることはな い。狼は悪者にされているので僕は彼らを気の毒に思う。こんなに美しい生き物はい ない。彼らは近くの森の小動物を食べているのだろうか、最近は開発が進んで森が小 さくなってきたので、山へ移動していってしまったと思う。ここのところ彼らの姿を見かけ ることが少なくなった。ここいらは小動物でない限り棲みにくくなってきたのだろう。

マウントレーニアとは、元々タホマといってインディアンの名前だ。ここからシアトルの南 の街タコマが命名された。参考までにSeatac空港とはSeattle Tacomaの中間点に 位置することからこう呼ばれるようになった。シアトルのどの場所からでもレーニア山を 見ることができるように、我々のトレールの行き先々でもレーニア山がその雄大な姿を みせてくれる。日系アメリカ人の一世たちは、この山を富士山に例えてタコマ富士とよび、 遠い日本を懐かしんだ。

レーニア山まで車との交差なし

実習生の麻衣子はローラーブレード中にウサギを跳ねそうになったことがある。この時 には少ないが、繁殖期はゴキブリのように小さウサギがウロチョロしている。ウロチョロと いえば、野ウズラの家族がチョロチョロとトレールを横切ることもある。麻衣子は子ウサギ だったが、僕はスカンクを跳ねそうになったことが何度かある。今のところ臭い袋という武 器は使われていないので安心している。

今の時期は、あたり一面がベリーの甘い香りでつつまれている。このトレールを毎日走っ ているから得ることができる動物たちがいる。僕の職住の真横にこんな環境がある。何と 素晴らしいことなのだろうか。

	          我が家のアライグマ                 我が家を毎日訪れていた子鹿

		    巨大アザラシの昼寝		 白頭鷲(ボールドイーグル=禿鷲でないよ)

おのざわショージ拝
08/12/01

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